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事例15

システム構成図 印刷印刷

開発背景

本設備は、メモリテスタやセンサ評価用に作成した専用ICテスタです。
ICの特性評価で、メモリのWrite/Read試験、記憶保持時間を測定する試験があります。
現状の評価装置(アジレント製のロジックアナライザ16702B)では全メモリの試験を行うのに3日かかってしまう、試験用のパターン波形の作成に時間がかかってしまうという効率面での問題がある状況になっています。
そこで今回、試験時間の短縮、作業効率UPを目的とした評価装置の開発が求められました。

課題

1. 試験時間の短縮
1つの試験に3日かかっているために、一度失敗してしまうとさらに日数を要するため、1時間ほどで試験が行えることを求められました。また、試験用のデジタルパターン波形の作成も時間をかけずに行えることも求められており、試験準備の時間短縮も必要とします。評価は複数のパターン波形ファイルを用いて行いたいという要望があり、試験時間を短縮させ、より多くのパターンを試せる必要があります。

2. 記憶保持時間(リテンション時間)の測定
従来にはできなかったDRAMの記憶保持時間の測定を必要とします。各RAMに書き込んだデータがどれほど保持されているかを測定します。再書き込み(リフレッシュ時間)を任意に複数設定することを可能とし、各RAMのリテンション時間をファイル保存します。

3. 操作シーケンス
複数の担当者が使用するため、判り易く、習得期間の短い操作性を実現する必要がありました。試験パラメータの設定を簡易性、試験結果の見易さ、加工のし易さを求められました。

ソリューション

1. 試験時間の短縮
NI製のシステム【HSDIO(PXIe-6545)】を基本ハードウェアとして採用し、パターン波形作成にはDigital Waveform Editorを使用することで試験時間の問題を解決しました。

2. 記憶保持時間(リテンション時間)の測定
リテンション試験は【HSDIO(PXIe-6545)】とNI製Script Editorを使用することで、任意のリテンション時間を複数設定できるようになり、測定が可能になりました。
HSDIOの収録データはデータ量が多く、メモリ上に保持するとオーバーフローエラーが発生していましたが、バイナリィファイルに保存しながら収録することでエラーを起こさずに収録することができました。収録完了後に、ファイルから測定データを読み込みながら、期待値との評価を行いました。

結果

試験時間が大幅に短くなったことで、短時間で複数の試験パターンを試せるようになり、エンドユーザー様にはとても満足していただくことができました。
リテンション試験ではファイル保存しながら収録を行うという処理にしたことで、長い時間のパターン波形でも試験を行うことができました。
テストを実現する基本構成として、豊富な計測モジュールが揃っているNI製品とカスタマイズ可能なLabVIEW、TestStandの採用が必要不可欠であったことは言うまでもありません。
本システムの完成により、アジレント制ロジックアナライザでかかっていた試験時間3日が30分となりました。

まとめ

今回の開発によりNI製品(HSDIO)が、メモリ評価に対するシステムの構築にたいへん有効であることが確認できました。
開発した弊社の評価装置はエンドユーザー様で活用されています。
要求仕様に合せて、必要なNI(旧社名:National Instruments)製品のモジュールを選定して組み合わせることで、品質の高いシステムを短期間で構築することが可能となり、性能/納期/コスト削減の面でユーザー様へ貢献することが出来ました。
自動化/短納期/低コスト/高品質については、ICの評価装置としては共通の要望でもあり、NI製品とLabVIEWを活用したシステムは、他の製品群についても、今後展開されて行くことが充分期待出来ます。

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