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事例12

システム構成図 印刷印刷

開発背景

 本件のユーザーであるバルブメーカー様では、ある自動車メーカからのコントロールバルブ大量受注につき検査システムを短納期でほしいという依頼を受けました。その製品は、自社の海外工場で生産されているものでした。
そこで以下のような問題が浮かびました。

1. 通常工程では、製品開発から生産にまでに少なくとも1年を要するが納期は6ヶ月しかない。
2. 海外拠点で生産システム導入する際には、今まで以上にメンテナンス性を向上させる必要がある。

そこで、短納期での試験装置開発に実績のある弊社に装置開発の依頼があり、NI製品とLabVIEW、TestStandの組み合わせで、短納期かつ柔軟性に優れたシステム開発が可能であると判断され、受注となりました。

課題

1. 実験開発設備から生産ラインへのスムーズな移行
実験開発設備での検査には、さまざまな検査方法を試行錯誤して行うため、比較的規模の大きなシステムが必要でコスト面からもそれをそのまま生産ラインへ導入することは不可能でした。そのため、実験開発設備で培った検査ノウハウやそのときに使われたパラメータ等は、それぞれで用いる機材の電気的な個体差やメカ的な制約から、生産ラインへそのまま移行することができませんでした。

2. 海外生産に対応できるメンテナンス性の向上

海外工場での使用を前提としたメンテナンス性の高いシステムが必要です。
これまでは、検査パターン、パラメータの調整にプログラム開発者が現地に出向いて対応していましたが、今後は、現地担当者がメンテナンスできるシステムが求められました。

3. 高度なPWM 制御が可能なハードウェア
既存のシステムは、複数の試験器を個別に制御して運用しています。 しかし、今後はシステムの高速化を進めるため、PWM(Pulse Width Modulation)制御が可能なハードウェアを求められました。

システム構成

  • PXIe-1071 4スロットシャーシ
  • PXIe-8108 コントローラー CPU: Core 2 Duo 2.53GHz OS: RealTime
  • PXI-7854R FPGA ボード
  • PXI-6251 アナログ入力ボード

結果

1.実験開発設備から生産ラインへのスムーズな移行
PXI を使用することによって、実験開発設備のシステムとして、比較的安価なシステム構築が可能となり、生産ラインへもそのままの構成で検査システムが組めるようになりました。
実験開発設備と生産ラインで同じハードウェア、同じ開発言語を使えるようになったため、検査ノウハウの移行、実験開発設備で得られた検査パラメータまでも装置の個体差のみを考慮すれば、ほぼそのまま移行することが可能になりました。 このため、設計~開発~生産サイクルが大幅に短縮され、全体的なコストダウンが図られました。 また、より時代のニーズに合った製品開発が短納期で可能になりました。

2.海外生産に対応できるメンテナンス性の向上
必要な検査項目は、全てVI 化し、検査はTestStand を利用することにより、プログラム開発者が現地へ出向かなくても現地担当者が検査項目の順序の入れ替えや制御パラメータ変更などが容易に行えるようになり、大幅にメンテナンス性が向上しました。

3.高度なPWM 制御が可能なハードウェア
高速なPID制御によるバルブのコントロールには、RealTime-OSとFPGAの組み合わせが不可欠なことがわかりました。この組み合わせとLabVIEW、PXIを利用すれば、高度なパルス制御が可能となり、また同時に、今まで別ユニットで動作していた機能を全てLabVIEW上でプログラミングできるようになり、アナログサンプリングとの同期も容易に行えるようになりました。また、制御と同時にサンプリングが行える為、サンプリングした実測値からフィードバッグをかけ、バルブ制御が可能となりました。

まとめ

この案件では、実験開発設備稼働から製品検証を経て、わずか6ヶ月間という超短期間で生産ラインを立上げるという目標達成に協力できました。さらに生産ライン工場のある海外でのトラブルも少ない信頼性の高い装置として大変評価されています。
現地担当者には、TestStandの使い方にも慣れて頂いており、検査の組み合わせの変更や検査パラメータの変更は、自ら行って頂いております。 また、製品の性能が向上していくなかでバルブのコントロールもより複雑さを増しています。
今回は、FPGAを使うことにより柔軟で高速な制御に対応することができました。
そして、今回のように納期が早いだけでなく、技術が複雑化する中で品質は保持されていなければなりません。
これらの要求を下支えしているのは、LabVIEW、PXI、そしてRealTimeOS、FPGAを使ったより柔軟で信頼性の高いハードウェア、ソフトウェアであることは間違いありません。

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