開発事例


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事例04

システム構成図 印刷 印刷

開発背景

乗車カード、電子マネーなどのICカードのみならず、流通、トレーサビリティなどの用途にも飛躍的に普及しているRFID技術。しかし、この RFID を開発、測定するシステムがなかなか見つからないという課題を凸版印刷株式会社の担当者様から伺った。

今まで数多くの分野のテストソリューションを提供していたペリテックであるが、RFIDのテストシステム開発の実績はなかったので、日本ナショナルインスツルメンツ社(以下NI)の営業部長である五味氏に相談したところ、RFIDテストシステムのノウハウを持った国外のアライアンスと提携してみないかとの提案があった。
数多くの分野のテストソリューションを日本で提供し実績のあるペリテックと、中国でRFIDテストツールキットを提供している VI Service Network 社(以下 VISN 社)が提携することで、RFIDの分野においても我々のソリューションを提供できると確信を持ち、凸版印刷様の協力の下、このプロジェクトはスタートした。

課題

当初、VISN 社が提供している RFID テスタツールキットソフトウェアは、日本の顧客向けに作られたものではなく、また顧客の要望が反映されていなかったため、不十分な部分が多かった。そのため、凸版印刷様へ納入後も改善点が残されていた。

1. ヌル点の問題
UHF 帯の RFID タグから受信した応答が読めるはずのパワーで送信しているはずだが、ある位置や周波数によって読めるときや読めないときがあるという現象が起こった。これは UHF 帯や2.45 GHz 帯でよく起こるヌル点という現象であることがわかり、ヌル点でデコードを行うことができなかった。

2. 周波数特性検査時間の短縮化
日本で RFID を普及させるためにはタグの応答周波数特性が特に重要であった。これは日本の UHF 帯は他の国々よりも使用できる周波数帯域が極端に狭いため、海外で使用される RFID タグをそのまま使用することが難しいためである。様々な周波数、パワー、位置、環境などの条件を検査しなければ日本の周波数領域で適切に使用することができない恐れがある。そのために今までは検査に1日以上の日数を費やしており、早急に検査時間の短縮化が望まれていた。

システム構成

RFID テスタのシステム構成は主にハードウェアは
・NI製ベクトル RF モジュール(2.7 GHz アップコンバータ「NI PXI-5610」
・2.7GHz ダウンコンバータ「NI PXI-5600」
・FPGA ベースの IF トランシーバ「NI PCI-5640R IF-RIO」

ソフトウェアは
・LabVIEW および RF 計測ツールキット(スペクトラム計測ツールキット,上級信号処理ツールキット,LabVIEW FPGA モジュール)
を使用している。また VISN 社の RFID テスタツールキットを使用することで RFID のリーダエミュレート、タグエミュレートが可能となっている。

結果

1. LabVIEW によりヌル点の解決方法を見出すことに成功
ペリテックと VISN 社がこのヌル点の解決策を見出すのはとても困難であった。
しかし、凸版印刷株式会社の担当者様が RFID テスタを納入してから短期間で LabVIEW を習得されたことで、問題解決策の提案をいただけるようになった。
LabVIEWを使って問題点を共有することで、短期間の内に受信した IQデータの実部と虚部に応答信号が観測されていることに気が付き、ペリテックはその部分のデコードができるように処理を作成し改善することができた。
最終的にVISN 社が提供しているツールキットにその機能が追加され、解決不可能と考えられたヌル点でのデコードが可能となった。

2. FPGA ボードを使用することにより周波数特性検査時間の短縮化に成功
検査時間を短縮するためにはどうしてもソフトウェアだけでデータを処理することは不可能であった。そのため検査時間を短縮するためにどうしたらいいか思考錯誤した結果、IF 帯の処理を FPGAで行うことで対応した。LabVIEW で FPGAを構築することが可能で、しかも NI 社には IF 帯のFPGAトランシーバ PCI-5640R (IF-RIO)が提供されており、その IF 帯の処理を IF-RIOで行うことにより一回のコマンドを50ミリ秒程度で送受信することができるようになり瞬時に周波数特性検査を行うことが可能となった。
これで今まで1日以上かかっていた検査がたった数十秒になり、飛躍的に開発スピードが短縮され、コストの削減につながった。

まとめ

難解な RFID テストシステムの構築も LabVIEW を使用し問題点を顧客と共有することにより短期間で解決策を見出すことができた。
ペリテック、VISN 社、凸版印刷株式会社の3社の協力によりこの RFID テスタはとても強力なシステムとなり、顧客自身が LabVIEW を使って評価、実験を行うことでスムーズに課題点が共有され、その後も本 RFID テストシステムは進化し続けている。

また、独自のシステム構築や検査時間の短縮、開発時間の削減など、顧客の要望などは豊富な NI製品の中から最適なものを選択できるノウハウを持ったペリテックがシステムを短期間で構築することが可能でき、顧客それぞれの要望に応じて独自のシステム構築が可能となる。その上、RFIDの進歩、普及が目覚しい中においても NI製品を使えばすばやく柔軟に対応できるのでシステム投資も最小限に抑えることができる。
測定器単体では解決が難しい課題でもNI社のソリューションとシステムインテグレータのノウハウ、およびLabVIEWを通じて顧客の成功を共同で提供することが可能となる。

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